なんかやった時の記録

誰かの役に経つかはわからないけれど、私と同じ趣味の人には分かるようなブログにしたいと思います。

ブローバイガスとクランクケースの減圧の話

ブローバイガスは現在の内燃機関において切るに切れない存在です。

どうしても、圧縮する際に圧縮しきれない混合気がクランクケースに吹き抜けてしまうからです。

それは主に混合気の吹き抜けです。

しかし、クランクケース内はご存知の通りオイルが飛散しまくってる空間ですので、クランクケースから出る頃のブローバイガスはオイルミストも含んでしまってます。

 

ブローバイガスの処理に関しての歴史は割合しますが、今現在は大体の車がシールド方式かクローズド方式となっていて積極的にブローバイガスを吸気ラインに混ぜて再燃焼させるシステムになっています。

しかし、この吸気ラインにブローバイガスを回すことでそれなりに弊害が起きたりします。

 

1. 吸気管等の汚染

夏場なんかでブローバイガスが冷えずにエンジンに吸われていればそんなに問題じゃないのかもわかりませんが、冬場等で吸気温度が低い場合ブローバイガスが冷えてしまい水分や油分が分離して吸気管に付着します。

 

2. 吸入空気の汚染

吸気したクリーンなはずの空気にブローバイガスが混入する訳ですから吸ってる空気が汚くなるわけです。

となると、自ずと燃焼効率が下がる訳ですね。

となると燃費も悪くなるし、パワーも落ちるし。いいことがないですね。

 

3. 吸気温度の上昇に繋がる

ブローバイガスはそこそこに熱い空気です、そんな空気が吸気ラインに混ざる訳ですから、吸気温度も上がるわけです。まぁ、この辺はブローオフの返し程の熱では無いですが•••

しかし、この吸気温度の上昇はメリットもありますので、一概に弊害とも言いにくい部分があります。

 

ざっくりこんな所でしょうか。

 

このブローバイを吸気に還元するのは環境への配慮の為です。特にパフォーマンスに寄与する機能ではないのですが、ここに来て最近このブローバイ処理をクランクケースの減圧に利用する働きが増えてきました。

 

シールド方式とクローズ方式を採用するブローバイ処理方法は吸気ラインにブローバイガスを還元する方法ですが、この吸気ラインに繋がるパイピングにワンウェイバルブ(リードバルブ等)を取り付けてエンジンの負圧を利用して積極的にクランクケース内を減圧することで、ピストン下の圧力を減らしてピストンの動きを軽くしようという事のようです。

 

ただし、このクランクケース内の圧力変化ですが、基本的には単気筒、V2気筒辺りが変化が多くて、例えば180度クランクのエンジンは4気筒なら基本的に1.4気筒が上死点にある時2.3気筒は下死点にあるわけですから、クランクケースの容積は変わりませんよね。

しかし、しかしです。

容積が変わらなくとも、空気があるということは空気の移動があることになりますよね。

そうなるとそれだけでも抵抗が生まれそうです、そういった観点でもクランクケース内の減圧は効果はありそうです。

 

しかし、過ぎたるは及ばざるが如し

クランクケース内を強く減圧してしまった場合

オイルのキャビテーションが発生したり、場合によって内圧に耐えきれずシール類が抜ける可能性もあります。

また、クローズド方式の最大のメリットであるクランクケース内の掃気はできなくなります。

 

ちなみに通常のクランクケース内圧は負圧により減圧されてると行ってもほんのちょっと減圧されてるかな?位です。

 

シールド方式はエンジンがエアクリーナーから空気を吸う負圧によってブローバイガスを吸い出す方式です。

どんなにエンジンが空気を吸ってもクランクケースが減圧されすぎる云々の前にエアクリーナーから空気を吸ってますのでクランクケースが減圧されすぎるわけはありません。

クローズ方式はクランクケースから2系統の吸気経路があり、ひとつはPCVを経由してサージタンクに、もう片方はブリーザーケースを通ってエアフロ越しのインテークに繋がっています。

負圧走行を行っている時のブローバイガスの流れは、インマニ圧に吸われてクランクケース内のガスがインマニに流れつつも、インテーク側からエアクリを通ってきた空気を吸ってくるわけです。

つまり、ほとんど減圧はしてません、クランクケース内のガスを吸いつつ、インテーク側から新気を導入してます。

ターボ車の場合は過給が始まるとPCVが閉じるので自ずとインテーク側から吸い出すこととなりシールド方式と同じ構図になります。

 

このクランクケース内に新気を導入するか否かが、シールド式とクローズド式の違いであり、クローズド方式が優位とされているクランクケース内の掃気と言われているものです。

 

でも、ブローバイガスに晒されるよりはマシなんでしょうが、エアクリーナーから吸った空気にオイルが触れるのもどうなんでしょうね?

どっちがマシかってことなんでしょうが。

 

因みに、クローズタイプに用いられるPCVは単なるワンウェイバルブではなく、圧力感応式で、アイドル時の様な高負圧の時はバルブが少し閉じるようになっています。試しにPCVを強く吸ってみてください。

エンジンブレーキほどの真空圧くらいになるとバルブが閉じます。

つまり、適切な負圧領域でのみ開いているワンウェイバルブと言えるわけです。

 

ですから、適当にPCVが壊れたからと行って単純なワンウェイバルブに交換すると色々と不具合が起きそうですね。

単純に考えるとアイドリング回転数が上がったり、エンジンブレーキがやたらと効かなくなったり、等 etc•••

ですので、PCVのある所はPCVにした方がいいです、さらに、仮に流行りのクランクケース減圧を行うのであれば尚更PCVを使わないとエンジンブレーキの時にクランクケース内が真空に近い状態になってしまうわけです。

そうなると、エンジンオイルのキャビテーション、ガスケット類が抜ける、等が起こってしまうわけです。

 

上記を踏まえた上で私もクランクケースの減圧をしてみることにしました。

 

まず、ネットに乗ってる設定を参考に同じようにセッティングしてみる事にしました。

結果的には•••思ったよりいい結果になりませんでした。

というのも、ふわふわしてて、アクセルに対する反応が悪いというか、確かにサーっと車が進む感じはあるのですが、なんかパワー感があるわけではないような感覚です。

さらに、燃費が悪い。みるみるうちに燃料計の針が動いてくのでどこか故障したのかと思ったくらいでした。

夏場信号待ちからの出だしの熱ダレ感ときたら•••

と何だかあんまりいい感じじゃないなぁと思いました。

というのも、EGRという機構がある車がありますが、内容的には排気ガスの1部を吸気ラインに戻し、実質的なエンジンに入る酸素量を減らしたことにより、より多くの酸素を得ようとする事でスロットルを大きく開くことでポンピングロスを減らし、吸気抵抗を減らすことでシリンダー内への充填効率を上げることができる。

というもののようです。

 

上記を踏まえた上で、考えますと、通常、クランクケースのガスの流れはインマニが負圧の時インマニにガスが吸われつつも、インテーク側から新気を導入しているので100%ガスを吸っている訳では無いと思われます。

しかし、クランクケース減圧法だと、クランクケース内に新気を導入できない訳ですから、100%ブローバイガスを吸う羽目になるわけです。

もちろん、注射器で吸い上げるようなものですから、吸う量は多い訳では無いとは思いますが。

ということは、EGRと同じように不純物を取り入れている訳ですから、結果としてシリンダー内に入る酸素の量が少なくなるわけです、その分スロットルを開ける羽目になりますよね。

そういった意味でアクセルをいっぱい開かないといけない=ふわふわした感触、レスポンスの悪化を体感したのかも分かりません。

 

そこで、試しに今でも大人気の大気開放仕様にしてみました。

因みに、私の車はエアフロ式なので、エアフロを通ってない空気が入るとエラーが出てしまうのでPCV側とインテーク側の両方を解放した形になります。

結果は思いのほか良い感じで、やはり、大気開放にする人がいるのは納得というか。

しかし、大気開放すると、クランクケースは減圧されません。また、タービンのオイルがクランクケースの負圧によってオイルパンに戻ってくるとの話もありますので、万が一正圧になるとタービンのオイルの戻りが悪くなったりするのでは?と思ったりもしました。

 

そこで、何とかクランクケースを減圧しつつ、ブローバイガスを吸気系に入れないようにする方法を考えました。

 

最初はブローバイガスが出るホースの出口にパソコン用の小さいファンを取り付けたのですが、クランクケースに対してファンのパワーが小さすぎて話になりませんでした。

そこで、高出力のブロアーファンで吸い出そうかと思ったのですが、やはり、ハイパワーとなるとサイズが•••

高々20φ弱のホースにハマるヤツなんかありませんでした。

そこで、走行風関連で攻めようと思いタイヤハウス内に発生する負圧の力を利用しようかと思ったのですが、これって走ってない時は負圧は生まれないよね。

ということで断念。

仕方なく、今の完成系のひとつである、排気ガスの排圧を利用してクランクケースを減圧する方法をおもいつきました。

 

排気管の途中にブローバイホースをつなぎ、排気ガスの流れを主体にしたコアンダ効果により、クランクケースのガスを引き抜く作戦に出たわけです。

しかし、排気管内も一方的に排気してるだけではなく管内に発生した負圧により吸気管内に吸い込まれてる外気もあることから、単純にブローバイホースを繋げるだけでは変な話ブローバイホースを逆流してくる気体があるかもしれないわけです。

なので、途中にワンウェイバルブを設けて逆流しないように細工をすると共に、万が一クランクケース内が正圧になった場合のことを考えて念の為にクランクケースとマフラーのホースの間にPCVを取り付けて正圧になった際、大気に解放出来るようにしました。

 

これが、思いのほかいい具合で、クランクケース内を適度な負圧に保ってくれているようです。

試しにオイルフィラーキャップを開けるとしっかり蓋が吸い付いているので正圧にはなってないようです。

 

しかし、さすがに大気開放のままでは環境に悪いので、触媒の前にブローバイガスを戻せればいいなぁと思っています。

そこで今、元々この車に着いていたエアポンプの経路を利用してブローバイガスを処理できないか、検討中です、しかし、まだエアポンプによるエアの向かう先がどこなのか?分からない部分もありますし、リードバルブを用いたワンウェイバルブが、触媒の手前の排気圧力で破損してしまわないか心配なところがあります。

時間がある時に行ってみたいと思います。