なんかやった時の記録

誰かの役に経つかはわからないけれど、私と同じ趣味の人には分かるようなブログにしたいと思います。

クランクケースプレッシャーブリーザーバルブ

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これです。

この円板ですが、とても重要な役割を果たしています。

品番は06A129101Aです。

が、現在は最後のアルファベットがDになっています。

もちろん、私のTTに着いていたものは初期型ですから、Aです。

実はこのクランクケースプレッシャーブリーザーバルブ、3個目なんですよね。

純正で最初から着いていたものが、どうも動作が怪しいということで、1度アリエクスプレスで買ったものがあったのですが、これが不作で…

まず、そもそも作りが甘く隙間がある為、二次エアーを吸い込んでしまうので仕方なくホットボンドで隙間を埋めて使うことにしたのですが…

エンジンの熱でホットボンドがまた溶けだしてしまいそうなので辞めることにしまして。

そこから、ブローバイガスの処理を大気開放仕様や排気流速排出仕様にしていたので長らく使っていなかったのですが、色々と難題があり、純正と同じく吸気ラインに混ぜて処理することにしたので再度使うことにしたのですがこの際なので新しいものに変えることにしました。

が、交換して良かったです。

 

 

このバルブが壊れてるか否かは、バルブを横から見て

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黄色の矢印側から口を付けて空気を吸ってみて普通に吸った時と強く吸った時で強く吸った時に抵抗を感じればちゃんとバルブが機能しています。

間違っても紫側から吹かない様に。

※このダイヤフラムは黄色側から吸うことでダイアフラムが閉じる構造になってます。黄色側から吸うなら紫側から吹くのと同じだと思わないように。

抵抗の違いがない場合は壊れているのだと思います。

ただ…今まで使用していたものを取り外して吸うとなるとこちらの気持ちとしての抵抗はあるんですが…

パーツクリーナーで洗浄するなりしてからの方がいいかと思いますが、実際はゴム製のダイヤフラムなのであまり溶剤で洗浄するのは良くないですね。

因みに黄色側はクランクケースに繋がっているからかKと書かれていて紫の矢印側はFと書かれていますねこれは、サクション部に繋がっています、フィルター側ということでFなんでしょうか?

まぁそれはいいとして。

このクランクケースプレッシャーブリーザーバルブの構造や動きを説明してる人は多分いないのでは?という事で、分解してみることにしました。


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このようになっております。
パックリ割れてますね。

このバルブの役割は、PCVバルブと併用されることで真価が出るもので、サージタンクが負圧になっている時、サージタンク負圧を使ってクランクケースからガスを引き抜きつつ新鮮な空気を吸っているのですが、この時このクランクケースプレッシャーブリーザーバルブがサージタンクの負圧によって閉じる事になり


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この小さな穴からしか吸えなくなるのでサクション部から吸い出せる空気量が少なくなり、クランクケースを若干減圧できる仕組みです。

つまり、巷で流行ったクランクケース減圧を少なくとも1999年の時点でメーカー純正で既に行っているという事です。

これは驚きですね。

 

サージタンクが正圧になった時は中のスプリングによりダイヤフラムが天井に押し上げられ筒の上部からブローバイガスをサクション部の負圧にて引き抜いています。

また、形状からも分かるように若干オイルを貯められる構造になっていますので、サクション部にオイルが回らないようになっていると思われます。

ここに溜まるくらいだと相当やばいとは思いますけども…おそらく普通に健康なエンジンであればここにたまることは無いです。仮に溜まったとしてもサージタンク負圧により引き戻されるはずです。

 

純正のDVもダイヤフラ厶式なので破れることが多々ありますが、このクランクケースプレッシャーブリーザーバルブもダイヤフラム式なので、先程の写真のように破れている人も多いのでは?と思います。交換してない人は交換した方がいいかもしれません。

何が厄介かというと、DVの故障と違ってこれが破れていて機能していなくてもエラーで拾えませんし、変化に気がつく人はそんなにいないのではないか?と思われます。

 

因みに、AとDでは若干ですが、負圧時にバルブが閉じた時に空気を吸う穴が後者の方が小さいのでより小さい負圧でもクランクケースを減圧できるように思えます。


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比較として左側がDで右側がAです。

穴のサイズが小さくなっているかと思います。

この辺りはおそらく後期になればなるほど改良品だと思うので穴が小さい方がいいのでしょう。

穴が大きかったら負圧がかかってもダイヤフラムを閉じるほどの負圧がクランクケースプレッシャーブリーザーバルブ内に発生しませんからね。

PCVではなく、単純なワンウェイバルブならばエンジンブレーキの時や、割と回転数高めのアクセルパーシャル時の様な高負圧がサージタンクにかかっている時はクランクケースプレッシャーブリーザーバルブ内を強力に減圧できるかもしれませんが、PCVは基本的には高負圧の時は経路が狭まりそんなに負圧がかからないようになっていますので難しいのでしょうね。

実際にクランクケース内圧を見るために負圧計を取り付けていますが、アイドリング中-72kPaの負圧がサージタンクにかかっていても-18kPa程度しか減圧してません、f:id:MintVanilla:20220307041550j:image

ブローバイガスも出てますからブローバイ排出量とサージタンク負圧で差し引いてこの数値だと思います。

エンブレの時は針は動かず回転が落ちてきて負圧値が上がってきてからクランクケースを負圧にするようですので、そういうことでしょう。

上記の写真の数値はサクション部からの空気供給を完全に絶っている状況下です。つまり、サージタンクにPCVを取り付けて、そのままクランクケースに繋いだだけなので、今回交換したクランクケースプレッシャーブリーザーバルブを取り付けサクション部からも空気の流入があればもっと減圧率は下がると思います。

 

交換後の走行インプレですが、多少変わるくらい?ですか。

そこまで劇的フィーリングが良くなるわけではないと思います。

クランクケースの負圧もかかってるんだかかかってないんだかってくらいの数値(メーター読みで-0.1〜-0.2kPa位)でアイドルから出だしの時にピクっと-0.5kPa位になる位です。

因みにこのオートゲージのバキューム計は0kPaでワーニングがピカピカするのですが、それがしないかするか位の微妙なところです。

ただ、このオートゲージ何しろ精度が怪しい部分がありますから実際どうかはわかりかねますね。

もし仮に、クランクケースをしっかり減圧したいということであれば、PCVを普通のワンウェイバルブに交換してみてはどうでしょうかね。

そうすればサージタンク負圧が全開でクランクケースにかかりますが、クランクケースプレッシャーブリーザーバルブを通じてサクション部からの空気の混入もあるのでせいぜい-40kPaくらいになるのでは?ないでしょうか?

 

私的にはPCVを着けたままにしてクランクケースプレッシャーブリーザーバルブの小さい空気穴を塞いでしまえばと思ったのですが、構造的に考えて分解したら綺麗には元に戻らなくなりそうなので、いもネジ等で穴を塞ぐことになるかと思いますが、経年劣化によりネジが脱落なんてことになると恐ろしいことになるので却下かなぁ?と思いました。

でも、PCVを普通のワンウェイにしちゃうとエンブレの時が1番負圧がかかりますが、その負圧がクランクケースを襲うとなるとシールが飛んだりしてしまうのではないか?と危惧しますねぇ。

内部からの圧力は強いのですが、外からの圧力には弱いので内側に引っ張られてしまうといとも簡単にシールが内側に抜けてしまう気がしますね。

 

という事で、クランクケースプレッシャーブリーザーバルブの話でした。

 

2022/6/19

なんと、久しぶりに調子を見たらクランクケースプレッシャーブリーザーバルブからエア漏れしてました。

抵抗もなくなってしまったので残念ながらゴミと化しました笑

二次エアのエラーが出るほどでは無いのですが密閉されていないのでダメですね。

そこで、仕方なくドゥカティ純正のリードバルブを用いてクランクケースプレッシャーバルブモドキを作成して取り付けることにしました。

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リードバルブ式なのでエアの流れへの追従が早いです。

しっかりアイドリングから過給の初段階までクランクケースを負圧に保ってくれています。