なんかやった時の記録

誰かの役に経つかはわからないけれど、私と同じ趣味の人には分かるようなブログにしたいと思います。

燃料ポンプ交換の巻

先月の22日に1度エンジンがかからなくなり燃ポンを叩き機嫌を伺いながら走っていたのですが、いよいよ金曜の朝もかからず朝は冷や汗、夜もかからずドキドキしながら何とか必死の思いで優しく励まして叩いてなんとか家まで帰ることに成功。
1度エンジンがかかってしまえば止まることはなかったのが幸いでした。
また、通勤は比較的朝早く、なおかつ夜も遅かったので渋滞もなく短時間の走行だったのが幸いでした。

早速燃ポンを注文することになったわけですが。燃料ポンプの種類は大まかには2種類かと思います。
FF車用とクワトロ用です。

FF用はタンクが1つなのでポンプからそのまま燃料ラインに入っていく感じでポンプアッシーをそのまま入れ替えれば交換可能な構造です。ポンプから燃料ラインまでが1本なんです。

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クワトロの場合は燃料タンクが左右で分かれています、といっても完全に分かれているわけではなく、プロペラシャフトが通っている関係でちょっとその部分だけ凹んでいるというか、なので、燃料が少なくなってくると左右のくぼみにそれぞれ燃料が溜まってしまう構造なので、必然的に燃ポンが無い側からポンプがある側に燃料を送らなければなりません、なのでポンプから2系統のホースと配線が出ていて構造上ちょっと複雑になっていると言うのが特徴です。
また、整備マニュアルによると、燃ポンがない側から燃ポン側へは、サイフォンの原理も利用して燃料を送っているようです。


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サイフォンの原理を簡単に説明すると、高低差のあるタンク同士を液体の満たされた管で接続すると、高い位置にあるタンクの液体がたとえ管の高さが高いタンクよりもさらに高い位置を通っても低い位置にあるタンクの液面の高さまで液を送ることができる。という原理です。
間違っていたらすみません。

 

私の予測ですと、燃ポンから隣のタンクへの配管が2系統あるので燃ポンから隣のタンクに燃料を吸いに行っているけども、燃ポン本体の吸引力の方が吸口も広くてたくさん吸えますから。燃ポンがあるタンクの方がおそらくどんどん燃料は減っていくはずです、そこで、サイフォンの原理も利用してやれば、例えば走行中に仮に燃ポンがある側ばかり燃料が吸われてしまっていても、エンジンが止まったあと、サイフォンの原理で両方のタンクの液面を同じ高さにすることができます。
こういった観点からおそらくサイフォンの原理も取り入れたのではないかな?と私は思います。

ちゃんとした燃ポン(チャイニーズ製やよく分からないメーカーじゃないもの、BOSCH製やVDO製)はパルカとセントレアで買えるようですか、パルカは36000円
セントレア40150円
セントレアの方が若干高い。
しかし、パルカは、在庫がなく、納期は7月の下旬となるようでした、セントレアは在庫ありでした。
パルカからは、ポンプアッシーではなく、モーター部分だけ在庫もあり売っているとの事だったのですが、如何せん燃ポンを現物を見ていないし、何かあっては困るので(プラスチック製なので、20年の時を超えて割れてたり経年劣化の恐れあり、また、分回答した時に崩壊する可能性もあります。)
安心のアッシーを頼むことにしました。

因みに、ポンプだけだとパルカは、26000円くらいでした。

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しかし•••作業して思ったのは今度燃ポンが壊れるようなことがあった場合はポンプだけ買おうかなぁと思います。
燃ポンアッシーが届いてよく観察したところ、簡単に言えばポンプ部と上部に分かれている構造で、自分でもポンプだけ取り付けられそうかなと思ったのと、実際取り外した物(上部)はそこまで硬化してなかったというか、再利用可能そうだったので。
1度交換してしまえばやり方や要領が掴めますから次回はポンプのみ交換ですね。

結局納期が早いセントレアに発注をかけました。なんと言っても通勤車でもありますので、完全に不動になったら困りますので。

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ちなみにこの上の写真ように分離してて良いものなのか気になったので、セントレアに問い合せたところこういう仕様だとの事です。
てっきり固定する用?爪らしい部分があるのでどこかにハマるのかと思ったのですが違うみたいですね。
因みに、FFのポンプは上下くっ付いているようです。
しかし、 この答えは整備マニュアルの中で既に答えられていたのかもしれません。

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これがFFのポンプの写真です、上部と下部がくっついて描かれています

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そしてこれがクワトロです、上部と下部が分かれて描かれています。
このマニュアルの絵がそこまできっちりと表現をしてるかと言われれば違う気がしますが•••

因みに、セントレアはとても丁寧かつ迅速に対応して頂けました。
具体的には購入を決めてカード払いを済ませた後に私がセントレアの会員登録を行ったんです、会員登録をすると送料が無料みたいなんですね(その時は知らなかった)それで、わざわざ連絡がきて送料を無料にしてくれて、カード会社にも連絡してくれて送料無料になった金額で引き直してくれました。
また、先程の手元に届いた燃ポンアッシーの上部と下部で別れているものかの質問も早急に返事をくれました。
何か次交換するパーツがある際はセントレアにて購入しようと思います。
何しろ届くのが早い。
土曜日もやってるのは助かります。
その日の15時までに発注すれば当日発送してくれます、名古屋の会社ですから、関東圏なら次の日の午前中に来ます、現に家に届いたのは日曜日の午前8時半くらいでした、黒猫様が届けてくれました。

さて、前置きがだいぶ長くなりましたが、早速交換と行きますが、今回は私が普段行っている危険度の低い作業ではなく、ガソリンという引火性を有する液体に触れるような作業です、危険物で言うところの4類の第1石油類です。
引火点は-40度以下です。
これは、正直しくじると車両火災を引き起こし、更にはその周辺に可燃物があれば燃え広がり多大な影響を与えかねない作業であることは容易に想像が着くわけです。
燃料フィルターやフューエルプレッシャーレギュレーターなんかも交換をしましたが、それと比にならないくらいの燃料と対峙するわけです。相手は燃料の塊です、いや、固体ではないので塊ではないですが、30リットルはあろうかと言うような量ですから、燃えてしまったらジ・エンドです。

つまり、ある意味人生をかけた作業と言っても過言ではないわけです。覚悟を持って作業に当たらなければなりません。

ですからリスクを最小限にしたいので、まず、なるべく湿気の多い日を選びたいですね。
できれば気温も低く、なおかつ曇りの日が良いですね。
ということでみんながあまり好きではないこの梅雨の時期ってのはとても都合のいい季節です。

まず、準備するものとして、大量の水、大量のウェス類、袋、ビニール手袋、消化器があれば消化器。
そして何より度胸が必要です。
ビビってしまうと無理です。(私はビビりまくって自分でやるか少し考え込みました。というか•••)

そして、作業を行う際は周りに何も無くなおかつ車内には燃えそうなものを極力排除することをオススメします。
そして、ドアや窓を全開にして換気を良くします。揮発性の液体ですから密閉空間で作業するとクラっときます。
さらに開けたドア等は作業中は閉めてはいけません。
ガソリンの揮発した蒸気は空気より重いので、低いところに滞留するので万が一車内に滞留していてドアを閉めた際、ドアストライカー等の接触の火花等で爆発を誘発しかねないので。
また、予め燃ポンを車外に搬出する経路をしっかり確保して置くことです。
ガソリンの量はなるべく少ない方が安心です。

 


まず、燃料ラインから燃圧を抜く必要があります。
これをしないと燃料ラインを外した際燃料が吹き出ますので危険です。
まず、運転席側にあるヒューズボックスから燃ポンのヒューズを抜きます。

ナンバーは38番です。

1番左の列の下から3番目になりますね、15アンペアです。


ついでに給油口のキャップも緩めます。
クラッキングしてエンジンをかけます。
すると燃ポンが動いていないのでエンジンがストールします。
これで燃料ラインの燃圧が下がりました。
そしたらバッテリーを外します。

このバッテリーを外すは確実にした方がいいでしょうね。
少しでもパチンときたらアウトですからね。

続いてリアシートを剥がします。
そうすると、燃ポンが格納してある黒い蓋が見えますので、ネジを3箇所外すと蓋が開きます、目の前に燃ポン上部が見えました。
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そこそこに汚いのでまず、清掃します。

配線のコネクタを抜きます、爪がありますので、無理やり引っ張らず様子を見ながら引き抜きます。
続いて燃料ラインを抜くことになるわけですが、ここで私は色々な想像をして少し躊躇しました。

まず、燃圧が下がりきってない場合。
外した瞬間ホースから燃料が吹き出ます。
それも車内に•••
燃料ホースがプラスチック製のホース?樹脂なのかな?
これは•••無理矢理やったら割れるな•••、実は私はチャコールキャニスターの同じような樹脂製の配管パーツを割ってしまってますので•••
ですから、もし折れてしまったら•••燃料ラインを引き直さなければなりません。
と言うことで、ドキドキしながら配管をまず抜きますが、ワンタッチカプラーみたいになっていて、一部を押しながら抜くと簡単に抜けます。

思いのほか燃料は出てきませんでしたが、ハイオクのオイニーが車内を満たしました。
いよいよ、危ない作業に入ったなと一段と身が引き締まります。
燃ポンにつながる配管や配線をポンプの周りからどかしたら、いよいよ燃ポンを引き抜くわけなんですが、外周をリング上のもので固定されているので、その外周リングを取り外します。
その時今のリングの位置を覚えておいた方が良いと思います。
ペン等でマーキングしておく方法もありますが、私は写真を取りました、こんな感じです。

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外のリングの321というNo.のところが蓋を固定しているネジ穴に来るようにすれば良いわけですね。

リングは結構硬いです、手では回りませんね。というか、手で回せるほどの隙間がありません。無理やりやると手を切りそうです。
これを回す燃料ポンプキャップレンチというSST(Special Service Tool)があるらしいのですが、もちろんそんなものは持ち合わせていないのでマイナスドライバー等を当てて、ゴムハンマーで軽く叩いて回していきます。

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結構回さないとリングが取れません。


リングを脱着したらいよいよ、ポンプを取り外していきます。割とすんなりポンプ上部を引き抜けます。
目の前に燃料の海が見えます、淡いオレンジ色ですね。マジマジと燃料を眺めることなんてないですよね、普段燃料を給油する時だって給油口に差し込んでしまいますからね、レギュラーはピンクでしたっけ?しかし、これに火がついたら、大爆発ですね。
思ったよりタンクってのは浅いんですね。もっと深いのかなと思ってました。

ちなみに、ここから作業の写真は無くなります、なぜなら電子機器等、写真等も静電気が出るかもってことだったので。
なので、ここからは整備マニュアルの写真を基に交換方法をお話ししていきたいとおもいます。

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まず、クワトロですから、上部と下部が分離しているので上部をタンクの外に一回だします、するとポンプ下部にアクセスできるので、隣のタンクにつながる2の配管と1の配線、4のサイフォン用のホースがついているブラケットパーツがくっついていますから、外します。サイフォン用のブラケットはこのマニュアルでいうところの3番のパーツですね。
写真で言う2の配管は先程のワンタッチカプラー方式、1の配線も両脇を摘むと外れる簡単なタイプになっています。
サイフォン用のホースがついてるブラケットパーツはポンプ外部の隙間に挟んである構造?なので壊さないようにまず下側を取り外す、下がフリーになったら上側をちょっと上に引っ張りながら横に引っ張る。

写真がないのでなんとも言えませんが、要は、このサイフォン用のホースがついているブラケットがハンガーみたいな感じで上側を引っ掛けて下側にテンションをかけつつ下側をはめるとちゃんとポンプの底までサイフォン用のホースが届くことになります。
これがちゃんとできていないと、サイフォン効果がしっかりと得られないばかりか、左右にある水面レベルセンサーに誤差が発生する可能性もありますので注意が必要です。

取り外したら、ポンプ下部がフリーになるのでポンプ下部もタンクから取り出します。
結構知恵の輪的に取らないとなかなかタンクの口とポンプがピッタリくらいなので難しいです、燃料がポンプ内に確実に残るので、そこそこに燃料が垂れるので水を含ませたウェスで抑えながら速やかに袋に入れて車外に搬出します。
仮に、ポンプ下部だけを交換する場合はここから解体と組み立て作業になるので燃ポンの上にあった黒い蓋を閉めて異物が混入しないようにしてから作業すると良いと思います。

因みに、袋はあらかじめ2重にして、水を含ませたウェスをいれて準備しておくと良いですね、燃料は袋を浸透しますからね。

ポンプ上部とタンクの口との隙間を埋めているゴムパッキンを再利用する時は外しておきましょう。このパッキンも場合によってはボロッボロになってることもあるらしいので、場合によっては新品を用意するといいと思います。私は再利用しました、全く痛んでなかったので。何かと2000年のモデルはパーツがしっかりしてるイメージです、後期になればなるほどコストダウンにより元々の純正パーツのクオリティーが下がってる気がします。

これが21年間も燃料を送り続けてくれた燃ポンです。

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ポンプのそこのフィルターにゴミが付着していました。

 

新しいポンプを戻していくわけなんですが•••
サイフォンのポンプのブラケットを取り付ける時は燃料にがっつり手が浸かってしまうので、ゴム手袋か何かを使うと良いでしょう、この燃料ってのは、水みたいだけど変な粘度があるというか、生暖かくて、明らかに水ではないなという何とも気持ち悪かったですね。
サイフォンと、ポンプホースと、燃料レベルゲージ用の配線カプラーをタンク内で組み付けたらいよいよポンプ上部をタンクにはめ込む訳ですが、ゴムのパッキンを先にタンク側につけてからポンプ上部をポンプ下部と合わせてタンクに押し込みます、大事なのはポンプ上部についている矢印とタンク外側についている矢印の向きを向き合わせることです。

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私は若干ずれていますが、気にしません。要は過度に連れでなければ問題ないです、そもそも、あんまりちんぷんかんぷんな方向には向かないようになってます、燃ポンがない側の配管の関係もあるし、燃ポンから燃料ラインの配管との位置関係もあるので。
しっかりとハマったら外部リングをまた取り付けて回るところまで回して、残りはマーキングした位置までまたマイナスとハンマーを使って締め付けていきます。

終わったら配管と配線カプラーを取り付けて終了ではなく、回りに飛散したであろう燃料をしっかりと拭き取ります。タンクの口の周りは少したわんでいてそこに垂れた燃料等が溜まってることがあるのでしっかりと拭き取りましょう。

そして車内にもしかしたらガソリンの蒸気が滞留しているかもしれないので、ちょっとそのままドア等は全開にして逃しながら片付けを軽くして、燃ポンのヒューズを取り付けてからバッテリーをつなぎます。
それではいざお待ちかねのクラッキング!!
といきたいところですが、まず、イグニッションオンで燃ポンに燃料を充填します。
燃ポンからブーンと音がしたら燃ポンがしっかり動いてくれてます。
一息置いてからクラッキングしますが。
すぐにはエンジンがかかりません、燃圧がなくなってますから燃料ラインに燃料が行き渡らなければ初爆は起きません。
エンジンがかかったらとりあえず普通にアイドリングか確かめます、歓喜のあまりいきなり吹かしたりせずまず、ポンプから変な音がしていないか、ポンプに繋いであるホースから漏れがないかを確かめます。
続いてアクセルを徐々に開けます。綺麗に回るか、回転落ちがおかしくないか、確かめます。軽くふかしてレスポンス等に問題なければ、ポンプの蓋を閉めてシートを元通りにして完了です。
お疲れ様でした。

と淡々と描きましたが、実際は私ひとりで行うのが怖かったのでとある先生を呼びました。
友人であり、某国産カーディーラーの整備士さんです。
彼とはひょんな出来事から出会ったのですが、それは置いておいて。
前々からポンプ交換するって話はしていて、びびった私は救援を要請しました。先生監修の元作業してもらいました。
大変助かりましたね。さすが、プロは分かってますよね。

交換しても最初はバッテリーを外したもんですから初期設定モードになるので、少しの間は暖気完了後もアイドリングが多少ボコっとなったりしますが、200キロほど走れば終了するものと思います。

何となく低トルクが少し強くなった気がしなくもないてます。

現在初期設定も終わったようですので、かるくぶん回しますがいい感じですね。
トルクが瞬間的に着いてくる感じです。
これだけ低トルクが増えるともう少し高回転よりにセットしてもいいかもしれません。
多少高回転で糞ずまり感があります。
もう少し伸びがあるといいかもしれないので、もう少しマフラーの抜けを良くしても行けそうです。

なんにせよ、エンジンがかからないかもしれないという不安から脱出できたのは良かったです。