以前バックタービンについて書きました。
その時私の乗り方だとバックタービン仕様がしっくり来ましたと書きました。
最近になり、エアフロや、燃ポンを変え、水温センサーを変えて、クランクケースを負圧にしたりと当時より色々と仕様がかわりました。
そんなさなか、ブローオフバルブの有無について、再度検証する必要性があるかなと思い今回またブローオフの実験を行うことにしました。
バックタービンにしている当時から、この1.8T型エンジンのブローオフ経路はあまり納得いかないところにある(通常効率を考えるとスロットルの手前にあるべき所が何故かタービンのすぐ後ろにある、となるとスロットルで行き場を失った空気がスロットルから2つのインタークーラーを経てタービンの後ろのパイプから抜けることになる、もちろん、徐々にスロットル側から圧縮されてくるからスロットルまで来た空気が戻ってくる訳では無い。スロットルで詰まった空気に対して追突してきた後にブローオフの出口に1番近い空気が抜ける、つまり、スロットルからブローオフまでの空間は軽い加圧状態にある、が、逆に言えば軽く圧縮された空気であるのでスロットルオフからオンまでが早い様な使い方をする際は慣性吸気によって圧力が高い空気がすぐさまスロットルオープンと共にドンと入ることで感性過給になってる、それはシフトチェンジのオンオフと言うよりギアを固定したままアクセルで体制を変えるようなドリフト車両ではとてもいいと思う、恐らくドリフト走行なんかでブローオフなんかつけてたらいちいちパワーが落ちてやってられないと思う、逆に一般的な使い方の方がブローオフはいると思う)
私は過去にもブローオフの有無について、スロットルの手前につけてみたり、ブローオフのスプリングの強弱を変えてみたり、はたまたブローオフの出口にワンウェィをつけて排出のみにしてみたりと色々としてきました。
N249というブローオフの制御を司るバルブを取り払いよりアナログ的なインマニ圧での制御にしてみたり。
これがそのN249バルブですが、もう今思い出してもどういう配管だったか覚えてませんね。
ブースト圧の制御装置の1種で、過給圧が上がりすぎた際、N249バルブに繋がっているバキュームタンク(負圧が溜まってる)にある負圧を使って強制的にブローオフバルブを解放する役割を果たしてます。と同時に恐らくN75というバルブがターボパイピングとタービンアクチュエーターの間にありますが、そこも解放してアクチュエーターに過給圧が全部流れるようにし、ウェイストゲートを解放して排気ガスをマフラー側にバイパスしてタービンの回転を落とす役割があります。
しかし、どうにも思うように気持ちのいいフィーリングにならなかった、そこでブローオフを外してバックタービン仕様にした所、そこそこに満足のいくフィーリングにたまたま私の乗り方とマッチしたため、その仕様で乗っていました。
(決してドリフトをしているわけではなく、私は普段は過給はほとんどしないので、普段の運転の中ではブローオフがない方がギアチェンジした際にレスポンスが良く感じるのであります)
しかし、私の頭の中では長年の疑問があり続けていたのは確かで、どう考えてもブローオフがある方が効率は良いと思っていました。
なぜなら、我が愛車のTT8Nは過給された空気がブローオフから帰ってくる先がタービンの入り口の羽のところなので、バックタービンにすると羽の回転が落ちますが、ブローオフで返してやると圧力のある風がそのままタービンの羽を回転する力になる訳です。
バックタービン:アクセルオフ→行き場のない空気がタービンの回転を阻害する。
ブローオフあり:アクセルオフ→ブローオフから抜けてタービンの羽を再度回す。
ということになるわけです、もちろん、バックタービンなら、タービンからスロットル間はエアが抜けていないある種の加圧状態になるので、アクセルを再度踏んだ際のレスポンスは上がるでしょうし、よっぽど大きなタービンじゃない限りは再度タービンを回すのものそんなに時間はかからず立ち上がりも悪くはないとは思いますが•••
そこで、再度このブローオフと面と向かって対峙して再度検証してみようと思った次第です。
と言うのも、私は常に何かしら変化が欲しいと思ってしまう飽き性なんですね、なので、1度変更した場所も何度か元に戻したり、再度検証する必要があると思いした
ここでまたブローオフを引っ張り出してくるとは…
前置きが長くなりましたが、検証スタートです。
とりあえず、普通に純正ポジションに取り付けてみましたが、暖気時にやたらとシフトチェンジでのアクセルオフからのオンでワンテンポ遅れる様な感じ、温まってくるとそうでもないですが、なんとなーくレスポンスが良くはないかな?
という感じ、試しにブーストかけて走っても立ち上がりはそんなに良くないかなぁと言うところ。
ということで、調整してスプリングレートを強めにしてみました。
すると、やはり、アクセルオフでサージング音がするようになりました。が、まだこっちの方が乗りやすいですね。
スプリングレートが弱いと過給して、アクセルオフで再過給する際に一瞬抜けるというか立ち上がりが遅れるというか、ブーストの針が一瞬停滞してから上がる感じになるんですよね、その点ではスプリングレートを強くした場合アクセルオフからオンの最中にスプリングによってバルブが閉じるので再度過給した際にすぐさまブーストが立ち上がる構図になるわけです。
つまり、緩いよりは強い方がいいと言うことです。
そこで、今度は場所を変えてスロットルの手前にしてみます。
こんな感じでスロットルの手前のパイピングにブローオフを付けられるようにアルミのT字を取り付けてその先にブローオフを付けました。
写真だと分かりずらいのですが、純正のパイピングは55φで、スロットルの手前で急激に65φまで
太くなるのですが、その55φの内径がアルミのT字パイプを入れたことで56φになり、純正より若干内径が太くなりました。
写真では分かりにくいのですが、こんな感じです。
実際は上の方が若干太くなってます。
予定では少し細くなっちゃうかなぁと思ったのですが、逆に太くなって良かったなぁと。
こんな感じで、ちょっと強引に取り付けた形になりましたが、これで走ってみます。
とりあえず、スプリングレートは真ん中くらい。
あんまりかわりませんね。
しかし、この調整式のブローオフバルブは、ねじ込んでストロークを短くすることでバネのレートをあげている構造なので、スプリングレートを上げていくとどんどんストローク量が少なくなってしまうんですよね。
だから、本来ストロークすべき量の頭打ちが発生してしまう算段になるわけです。
前に実験した時、結構閉めてもアイドル付近では若干開いてました、つまり、-0.7kPa辺りでは開いているわけです。
ただし、そこから少しでも踏むとすぐ閉じていました。
純正のブローオフはバルブに対して横側から圧力がかかっていて、スロットルオフにより、インマニ圧が負圧になった時にバルブが開いて圧が抜ける構造になります。
つまり、いわゆるブローオフのスプリングレートが弱くても過給してる最中にブースト圧が抜けてしまうことはありえないわけです。インマニからの正圧がブローオフにかかっている限り、正圧とスプリングによるダブルの圧力で中のピストンが開く要素がないからです。むしろ、正圧の時バネがなくてもブローオフから圧力は抜けません。
因みに極限までスプリングレートが緩い場合(スプリングを抜く等)ですが、少しの負圧でも開いてしまってるような状態ですから過給しようかなって時に一気に踏み込まないと正圧になりません、なぜなら、じわじわ踏み込んでも負圧から正圧になるまでは隙間が出来ているので、過給圧がタービンからスロットル間で正圧になったとしてもまだインマニ内は負圧なので、ブローオフバルブが開いている格好となり、タービンからスロットル間にあるブローオフバルブから抜けてしまうわけです。一気に踏み込んだ場合、ブローオフバルブから抜けきれない程の圧力をタービンからスロットル間にかければ自ずとインマニまで正圧に菜ざるおえないので、ブローオフバルブも閉じることとなり過給がかかり始めるわけです、しかし、想像するにかなりドッカンターボになるでしょうね。そして、アクセルオフからのオンもベタ踏みしないと過給してくれないでしょう。
この抜けてしまうというのは通常どんなブローオフを付けてもならないと思います、中のスプリングを抜いたりしてバネの力無しでインマニ圧のみで中のピストンを動かしていなければ。
基本的にはどんなに緩くしても負圧走行時に逆にタービンを通過しないでブローオフからインテーク側に空気を吸い込んでいることがほとんどです。なぜなら大抵は負圧から正圧になる前に緩くとも-0.3kPa辺りには閉じるようになっているとは思いますので。
じゃないとあまりにもレスポンスが悪くなります。
因みに、この横側からの圧力解放方式はインマニ圧のみで制御されていることとなります。
これは後で出てきますが重要な事です。
では、仮に今度はブローオフバルブの下側、ピストンの下側から圧力を逃がす様に取り付けた場合はどうでしょうか?
先程、正圧時横側からの圧力に関して話しましたが、横側からの圧力に対してブローオフバルブのピストンにかかる圧力はインマニ圧とスプリングのダブルでした。
しかし、ブローオフの取り付け向きを逆にした場合、ピストン下側からも圧力がかかるようになりますから、正圧時には、インマニからの正圧と、スプリングのダブルの閉じる方向への力と、逆にピストンを押し上げようとするタービンからスロットル間での正圧の力がかかることになります。
もちろん基本的に1度正圧になれば、抜けることはありません。
が、例えばじわじわ過給していくような状況では過給しにくくなる状況にあるかもしれません、タービンからスロットル間が若干の正圧になった時、まだインマニが負圧である間は、ブローオフバルブはスプリングの圧力のみでバルブを閉じています。
その時スプリングに対抗しようとタービン〜スロットル間の正圧の空気が下から押し上げようとしてますので、スプリングレートが低いとタービン〜スロットル間の正圧に負けてしまいバルブが開いてしまい、過給圧が逃げてしまうということになってしまいます。
これは勿体ない。
なので、スプリングレートを強くして過給する際に負圧領域内で確実にスプリング圧によって閉じるように調整をしなければならなくなるわけです。
しかし、なんと言ってもこのスタイルのいい所は、過給圧が抜ける時負圧によるバルブの引き上げと、行き場を失った空気の2重の力でバルブを持ち上げるので抜けが良いです。
つまり、アクセルオフにした時にポップオフバルブ的な役割も果たしています。
ということで、今回はこのブローオフバルブのピストンの下側から抜けるような取り付け方にします。
このブローオフバルブの構造はこんな感じです
ピストンを、引き上げる負圧室をねじ式のキャップとゴムリングによって負圧を保つような構造になっています、つまり、このゴムリングのヘタりや、ネジ山から空気が抜けてしまうと負圧でピストンを引き上げようとする際、しっかりと負圧がピストン裏にかからずピストンを引き上げない可能性が出てくるわけです。
なので、オーリングの新調と、ネジ山にシーリングテープを巻いて気密性を高めることにしました。
これにより、しっかりとピストン裏に負圧をかけられることとなりアクセルオフした際にインマニ負圧が100%しっかりとピストンを引き上げられるようになりますから、ブローオフバルブとしての機能をしっかりと全うできることとなります。
このシーリングテープ1度ねじ込んでから戻すとシーリング効果がなくなってしまうので、過給後の空気の抜ける音を聞きながら締めこんでいき、サージングしない程度に締めつけ調整をすることが大事です。
このブローオフはいわゆる中華製?なんですが、当たり外れが多いようです、私のは多分当たりっぽくてバリもなければ色々な方向から圧力をかけてもちゃんとしまっていれば空気が抜けるところはありません、強いて言えば、負圧用のホースを取り付けるところが短いのが少しネックですね、まともにホースバンドをつけられませんからね。
私は細いタイラップで止めました、しかし、このタイプ頭を回して内部スプリングの調整を行うので、物理的な問題で、負圧ホースもねじれてしまうんですよね、その辺がネックですね。
まぁこの辺は設定が決まったらどうでも良いことなので目を瞑ることにします。
セッティングしてみます。
緩くするとアクセルオフでいちいち空気が抜けすぎて、更にアクセルオンしても一瞬ピストンが開いているのでレスポンスが悪くなります。
逆にサージングするようだとブローオフの意味をなさず、バックタービン仕様と変わらないこととなってしまいます。
もちろん、低過給時には抜けず(抜けすぎない様に)過給がある程度ある時にしっかりと抜ける仕様にすると中々いい感じになるかと思います。
例えば街乗りなんかじゃそうそう過給なんてしないわけですが、そんな時いちいち負圧領域でもアクセルオフで抜けてしまうともさっとした張りのない走りになります。
なので、ある程度の過給までは抜けないようにしておくことで、シフトチェンジの時なんかにはレスポンスが上がると思います。
ということで、かなり地味な作業になりますが、毎日の通勤で乗って朝と夜で設定を強めにしていきます。
良い感じのところからは徐々に強く、そして強くなりすぎた場合は、その場所を記憶しておきます。
そして、一度緩めて再度シールテープを巻き直して記憶した場所の手前でかっちり固定して終了です。
私は若干低過給の時(0~0.3kPa)にサージングがするかも?ってくらいにしました、完全に毎回パシュンと抜けてしまうとどうもダメでした、パシュシュ位ですね。ほとんどシュシュは聞こえないですが•••もちろん高過給時にはパシュンと抜けます。
こんな感じで取り付け完了です。
バックタービンの時より、若干マイルド感が出ましたが、バックタービンの時はドンっ!とパワーが来る感じだったのが今回連続的なパワーというか、アクセルオフからオンの時もすーっと立ち上がる感じがしますね。
勿論、無過給時は開かないようにしてあるのでギアチェンジの時なんかはパンっ!と立ち上がるようなパワーを得られるので良いですね。