効率よく過給してもらうためにブーストコントローラーを導入しました。
純正でもソレノイド式のブーストコントロールを行っていますが、仕組みは予めアクチュエーターに向かうはずの圧力をインテークに漏らすことでアクチュエーターに向かう空気量(圧力)を逃がしつつ一定の過給圧になった際電磁弁を用いてアクチュエータ側に100%空気を送りアクチュエータを解放し排気をバイパスしてタービンの回転を下げ過給圧を下げるという仕組みです。
つまり、せっかくの過給圧を常時漏らして抜いてしまっているので勿体ないわけです。
確かに、あんな細いホースから出る空気ですからたわいもない事なのかも分かりませんが、事実として圧力を逃がしているわけです。
そこで、特定の圧力になるまで解放しないソレノイドを使用しレスポンスとブースト圧の安定を両立できる電子式ブーストコントローラーを導入しました。
数多のメーカーがこのブーストコントローラーなるものを作成していますが、私個人的にはHKS社の物が好きなので、このEVC-Sを選択したわけですが、けして新しいモデルではありません、かれこれEVCも1から今現在はEVC7が出ており、このモデルは5と6の間に出たモデルです。今から11年前です。
手頃な値段のEVC 4は巷ではだいぶ機能が制限されたモデルになったとの話を聞いていましたし、3が人気のようですが、流石にそこまで古いものを使うのも•••と思い、しかし、4以降はモニターが大きくて、回転数による過給圧の設定等は中々良さげだったのですが、それも結局回転信号から別途モニターをしなければならないとのことで、少々面倒だなと•••
そこで、コンパクトでモニターも小さいEVC-Sにした次第です。
このEVC-Sは圧力センサーによって過給圧を判定し、ソレノイドバルブにて制御するタイプです。
他のシリーズはステッピングモーター式との事です。
ステッピングモーターとソレノイドの区別ですが、ソレノイドは単純にオンオフの区別しかなく、高速でオンオフを繰り返すことで、空気の流れを調整するタイプです。
ステッピングモーターは決められた開度までモーターを回せるタイプでオンオフしないで済むのでピシッと決められた量開いて安定してます。
しかし、動作が遅いのでレスポンスにはソレノイドに比べると劣ります。
簡単に両者の説明をすると、ホースで水やりをする時、持ち手でオンオフが出来るのがソレノイド、蛇口の元栓がステッピングモーターという事です。
ソレノイドは出すか出さないかしか選べないけど動作が早い。
ステッピングモーターは蛇口の元栓のように出してる水を止めるには閉じるまでのフローがあるので遅い。
という事で長くなりましたが取り付けることにしました。
取り付けは至って簡単ですので、特に写真等は省きます。
インマニからEVC-S専用のブーストセンサーに接続します。
ターボパイプからアクチュエータ間にある純正過給圧制御ソレノイドを外し、代わりにEVC-Sの専用ソレノイドを噛ませます。
純正ソレノイドはその辺にほっぽっておきます。
恐らくソレノイドをカプラーから外して置いても支障はないのでしょうが、如何せんエラーコードに乗りやがるのでとりあえずつけておいてあります。
あとはブーストセンサーとソレノイドの電気配線を車内に引き込みメインユニットを車内に設置、メインユニットにソレノイド、ブーストセンサー、コントローラー、電源線を取り付け設置。
電源を取り終了です。
特にイルミとかの区別はないのでイグニッションONで電源ONになればいいだけです。
中古で買いましたが、初期化してありました。
が一応念の為もう一度初期化してから設定します。
初期化することでブーストセンサーの0値修正をしてくれるようです。
なので、必ず初期化する時はエンジンをかけずに行います。
説明書はなかったのでネットから拝借して行いました。
設定項目は
オフセット値
ドロップ値
オーバーブースト値
レスポンス値
ワーニング値
がABの2chでそれぞれ設定できます。
まず、オフセット値です。
これがいわゆるブースト圧を決める設定なんですが•••
えーっと•••%表示です。
0%から100%との事です。
ブーストセンサーがあるのなら素直に何kPaかかるって設定の方がいいのでは?
と思ってしまうのですが•••
初期設定が10%になってます。
純正値より10%遅く開く?ってこと?
よく分からないのでとりあえず、そのまま10%にしておきます。
続いてオーバーブースト設定ですが。
ソレノイドが仕事をし始める設定のようです。
単純に言いますと、設定した圧までアクチュエータに空気を流さないという事です。
つまり設定圧まではタービンの性能を100%使ってブースト圧を立ち上げるとのことです。
しかし、例えば目標最大ブーストを1.0kPaで設定をして、1.0kPaまでアクチュエーターに空気を逃さなかったら逃す頃には1.0kPa以上かかりオーバーシュートするわけです。
その辺オーバーシュートをしてでも目標過給圧までレスポンスよく立ち上げるのか、少し手前からアクチュエーターに逃がしつつ最大ブースト圧付近でピッタリ止まり最大ブースト圧以上にはならないようにするのか、簡単に言えばそんな設定です。この辺は乗ってバランスを整える必要があると思います。その辺レスポンスという項目で調整をするようです。
レスポンス値にもよるのでしょうが、踏んづけてやっても112kPaまでしか上がらないようになりました。その後0.9辺りで維持する感じです。
ワーニング設定ですが、字のごとくですが、設定した以上のブーストがかかった際にアクチュエータに緊急解放してブーストを下げる値を決めます。
ある程度のオーバーシュートがあるものと思いますが、オーバーシュート程度の短期間のワーニング値のオーバーの時はブーストを下げないようです。
ドロップ機能ですが、ワーニング設定で設定したブースト圧以上になった場合圧力を緊急解放してブースト圧を強制的に下げてくれます。
%なんですが、これは、オフセットで決めたブースト圧の%から何%引くかってことみたいですので、とりあえず100%で設定すれば間違いはありませんが、リミッターがかかっても最低ブーストを維持したいのであれば計算して割り出すしかありません。
レスポンス設定ですが、ブースト圧に対しての反応の強さを決められるらしいですが、どうもオーバーブーストで設定したブースト圧より上の領域で機能するらしく、例えば0.8kPa以上にブーストがかかった時すぐさま圧を抜くのか徐々に抜くのかレスポンスを上げると徐々に圧を逃がし勢い着いたブーストがオーバーしてしまうことがあるようです。なので、レスポンスをいい感じに設定して0.8kPaから1.0kPaまでの間でストンとブーストが落ちすぎなく勢いのまま1.0kPaをすぎてしまわない程度に調整する必要があります。なので、むしろレスポンスを上げて0.7kPa辺りでオーバーブーストを設定して置いて勢いで1.0kPaまで持っていきその後それを維持してもらうって感じの設定がいいのかも分かりません。
基本設定はこんなもんですが、チャンネルが2個あるので、全く違うキャラクターを作成するもよし、常時使ってるキャラクターと、スクランブル用のキャラクターで分けるもよし、なかなか楽しそうです。
もちろん、オフにすれば純正のブースト圧になるようです。
がしかし、その場合は純正ソレノイドを挟んでませんので過給圧がそのままダイレクトにアクチュエーターに流れる格好になりますので自ずと凄まじくマイルドでさらに最高過給圧も低くなると思います。
通常純正ソレノイドでブーストが1.0kPaなんですが、ソレノイドを外すと0.4kPa位までしかかかりませんでした。
因みに調整式ならば、ノーマルでいっぱいに踏んで1.0kPaになるようにしてやってあとはブーコンで立ち上がりを調整し、1.0kPaでピッタリ制御出来ればあとは立ち上がりだけセッティングするだけで楽です。
ということで、私のは純正ながら調整が効くやつなので5速で全開で1kPaまでかかるところにセットしました。
これ、重要なところなんですが、ブースト圧が0.45kPaを超えてソレノイドが仕事を始めた後アクセル等を若干抑えたりしてブーストが下がると0.5病みたいな症状に陥ります、このブーコンは連続制御ができないという欠点があるようで、その場合0.45kPaまで落として踏んでやるとまた制御しだすとの事です。
要は、アクセル踏む、ブースト立ち上がる、ブーコン制御入ります、希望値のブーストまで上がる
その後0.5kPaまで下がるんです。でも、また0.45kPaまで圧を下げて踏み直せばまた希望のブースト圧まで上がるということのようで確かに、私もブーストをおりゃーってかけて1.1かかった!
と思ってアクセルをちょっと抜いたかなんかした後0.5kPaまで下がってどんなに踏んでもそれ以上に復帰せず、一度アクセルオフして踏んでまた上がるってのになったのでまぁそういうことだと思いますが、かなり欠陥な気がしますが笑
なのでどんなにソレノイドが連続制御をやめて全開で空いてしまってもノーマルの状態で1.0kPaで制御出来るようになっていればそこまで下がらなくて済むと思われるわけです。
が、それでも0.5病になるのはなぜ?
単純にアクセルを踏むのが弱かったからでは無いとは思います。
この辺は調査が必要です。
もしかしたら、EVC-Sのソレノイドを介してアクチュエーターに接続してると、ターボパイプからアクチュエーターまで直通ではなく多少なり細くなる部分があってアクチュエーターまでの圧力が若干スポイルされている?のか?それでEVC-Sが制御をやめると本当の意味で全開放になるの?
そもそも、私の思惑があってなかった可能性も(純正のアクチュエータでいくら調整できると言っても1kPaまでブーストがかかるようにはできないのでは?)
と、なので、恐る恐る今度アクチュエーターをもうちょい閉めてみて0.5病にならなくなる所まで調整してみようかなぁと思います。
中々この辺りは地道な作業になるので今後も微調整を行いますが。
現状別に困らないのでそんなフルブーストをかけ続けて走りたいわけでもなく、ブーストをかける時なんかはちょっと追い越しとか加速レーンくらいしかないので。
パンっ!と踏んでドカンっ!とブーストが立ち上がってストレスなく加速すればいいだけなので、現状純正以上のブーストはかからないし、立ち上がりも良くなったので取り付けたかいがありました。
ということで、私の設定は
オフセット5
オーバーブースト95
レスポンス35
ドロップ5
ワーニング115
に設定しておきました。
余談ですが、EVC-Sで表示するアイドル時の負圧は-068位ですね。
Defiのブースト計だと-0.7を超える位なんで若干値の差がありますね。
ブーストも同様にEVC-Sでは1.0の時デフィでは1.0以上になってます。
デフィはEVC-Sより、負圧の値が低く、正圧の値が大きいわけです。
かりに、単純な誤差ならば、負圧の値が低い訳ですから、そのまま正圧に入った値も小さくなるはずです。
どちらの記録が正しいのか。
まぁそこまで凄まじいほどの誤差がある訳では無いので良いのですが、シビアな人からすると困るところになりますね。
追記2020/4/30
リセットし直したところ、デフィのブースト計との誤差は無くなりました。
負圧値も-72辺りでビシッと決まっています。
また、設定を変更しました。
オフセット0
レスポンス0
オーバーブースト85
ドロップ15
ワーニング115
に設定しました。
ついでに、コントローラーの取り付け位置も変更しました。
ステーをコラムにビス止めして、そのステーに両面で取り付けました。
本体が小さいと目立たなくて良いですね。