またまた車話になります。
私の車は2000年に初年度登録をした車です。
旧車乗りの方からすればヒヨっ子ですが、それでも今から20年前の車になるわけです。
当時私はまだ中学生でした笑
ですので、今の最新の車より色々と劣っている部分があります。
例えば燃料の制御方法は一昔前のものです。
流石にキャブレター方式ではないですが似たようなもんで、スロットルを通過しサージタンクに溜まった空気がインテークマニホールドを通過してエンジン内に吸気される際に燃料を霧化させて噴射して吸気される空気に一緒に混ぜて混合気を作ろうと言うやつです。
巷では吸気温度が低ければ低いほど良いという話も聞きますが、確かに高すぎるよりは低い方がいいでしょう。
ただ、高いよりはってだけで低くしまくれば良いわけではありません。
過ぎたるは及ばざるが如しです。
まず、吸気温度が高いと何がダメなんでしょうか?
その1 酸素濃度の低下
爆発に必要なのは酸素であり、空気自体ではありませんが、酸素だけ吸うのは無理なのでなるべく酸素が多い空気を吸った方が効率よく爆発をさせることが出来て、1度の爆発から得られるエネルギーが増えるわけです。
しかし、温度が高くなるとその酸素が減るわけではありませんが、酸素を纏う空気が膨張するので結果、吸った方空気内の酸素濃度が低くなります。
例えが難しいですが、風船の中にビー玉を入れて膨らましていくとします。
ビー玉が酸素だとして、温度が上がると風船にどんどん空気が入っていきます、温度が下がると風船から空気が抜けていきます。
温度が高くても低くても酸素の量自体は変化しませんが、風船の体積に対する酸素の割合が減るわけです。
エンジンが一度に吸える空気量は決まってます、風船の詰め放題をした場合、風船が小さい方がいっぱい詰め込めますよね、膨らんだ風船じゃ詰め込めませんから。
つまり、温度の低い空気を吸った方が同じ容積でも酸素が入ってる割合が高くなるわけです。
大体30度違うと10%違うようですから、例えば0度と90度だと30%違うわけです。
流石に真夏渋滞中でも吸気温度が90度まで上がるかは不明ですが、ターボチャージャー付きエンジン付きの場合ブースト圧1.0kPa程かけるとターボチャージャー出口の空気の温度は100度前後まで上がると言われています。
この辺の比例値は分かりませんが、仮にハイパワーなターボ車が1.5kPa位まで過給圧をかけた場合150度とか凄まじい温度に上がる可能性があります。
となると•••0度と150度では50%も同じ空気量に含まれる酸素濃度が違くなるわけで•••あれ?150度の空気の中には0度の時の空気中の酸素の半分しか酸素が含まれないわけですか。
ということは爆発効率も0度の時の半分になっちゃうんですか?パワーも半分?燃費も?ってことは1.0kPaの圧力をかけてエンジン内に無理やり空気を詰め込んで充填が2倍に出来てやっと0度と同じ酸素濃度?
っと単純にはなりませんが、その位温度によっては違いが出ることになります。
しかし、大概のターボチャージャー付きエンジンの場合はターボチャージャーからスロットルの間にインタークーラーがついて熱くなりすぎた空気を多少冷やしますので150度とかそんな熱い空気のままエンジンには入りません。
では、温度が高いままエンジンに入ってしまったらどうなるのか。
その2 ノッキング
吸気温度が高いままエンジン内に入ると燃料と混ざった混合気が高い吸気温度につられて高温になり、更にピストンによる圧縮により更に温度が上がりガソリンが適切な点火時期より手前で勝手に発火してしまいピストンは圧縮しているのに爆発してピストンを下げようとするので凄まじくエンジンに負担がかかります。最悪はコンロッドが曲がってエンジンブローです。
そのノッキングを防ぐために吸気温度センサーやO2センサー、ノックセンサー等を用いてノッキングする前にエンジンの点火時期の遅角によりノッキングを防ごうとしますので、パワーが下がり効率が悪くなります。
では、吸気温度が低すぎると何が悪いんでしょうか。
その1 燃費の低下
霧化が進まない位吸気温度が低い場合、暖気時と同じくらい濃い燃料を吹く羽目になり燃費が悪くなります。
その2 フィーリングの悪化
吸気温度が低すぎて霧化が進まないとやたらと燃料を吹く羽目になりますが、吹いたって燃料は燃えにくいわけです。
吹いた燃料がちゃんと燃えないんじゃパワーは出ません。なのでいつもよりなんか車が重く感じるといった感じになります。
その3 オイルの希釈
燃料を多く吹いたものの燃えきらない燃料はシリンダーの壁やピストンに付着するわけですが、ガソリンはオイルを希釈するんですよね。
よって潤滑油としてのオイルを希釈します。
その4 ブローバイガスの増加
ブローバイガスはエンジンの調子にもよりますが、どんなエンジンでも多少は出てしまうものです。そんなブローバイガスの中の生ガス濃度が上がってしまいます。
そうなると、クランクケース内のオイルへの希釈が発生しますし、未燃ガスのミストを含んだガスをクローズタイプのエンジンだとまた吸気する羽目になるので吸気管が汚れたり、汚れたガスを吸うわけですから、不完全燃焼になりますよね。
中々吸気温度が下がりすぎてるのも悪い影響がありますね。
ターボ車の場合はインタークーラーがある関係で仮にエアクリーナーで吸った空気がエンジンルームの雰囲気の温度で吸ったとしても、負圧走行時はインタークーラーによって外気温度まで下がってしまう訳です。
NAエンジンの場合は基本的に吸口さえ上手く調整出来ていれば、それより下がることはないと思います。
吸気温度等を気にする人はきっと夏場の吸気温度は何かしら対策してると思います。
しかし、その対策故に冬場に吸気温度が低すぎてしまうこともあると思います。
なので、冬は冬で吸気温度対策をしないといけないのではないかなぁと思います。
私も夏用に吸気温度対策を行ってきましたので、この時期に来てというか、今年の冬は寒いので早朝なんかはかなり、車両がかったるく感じ、実際燃費も下がりました。
何処か故障したかと思ってスキャンツールを使ってエラーを探すも見つからず、配管の抜けやタイヤの空気圧等も調べましたがいつもと同じで。
そこで、軽くアイドリングさせて強制的に吸気温度をその場だけで上げてから走り出すと、最初の走り出しは調子が良くなり、また少し走り出すと元に戻ってしまったのでやはり、吸気温度が低すぎるなとの判断に至ったわけです。
という事で、吸気温度が低すぎる弊害についての話でした。